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水銀の原因として知られている有機水銀

ほぼ100%の日本人の毛髪に蓄積が認められる


特に日本人は、近海の魚介類を好んで食する習慣があることから、他国に比べて多量の水銀を摂取している可能性があり、ほぼ100%の日本人の毛髪に水銀の蓄積が認められます。

 

■水銀とは


私たちの日常生活の中に水銀と関連のある製品は、蛍光燈、乾電池、温度計、血圧計、歯の詰め物に使われる水銀アマルガムの他、さまざまな電気製品(スイッチ類や計器類、接点、ゲージなど)、薬品・化粧品など数多くの製品があります。以前は、水銀軟膏のかたちで、ケジラミ退治に使用されていました。さらにその前には、水に薄めて通じ薬として用いたり、梅毒の薬にも使われていました。

水銀は、私たちの食生活から切り離すことができない魚介類に含まれています。1956年、新日本窒素(現チッソ)水俣工場の排水から「有機水銀」という人間の体に害のある物質が海に排出し、魚介類に蓄積。それを食べた住民らが水俣病になった事件はよく知られています。また、60年代には新潟県阿賀野川流域で新潟水俣病が発生しました。
現在でも水銀により魚介類は汚染され、2003年6月3日、厚生労働省は、妊娠しているその可能性がある人を対象に、水銀含有量を踏まえた魚介類の摂食頻度についての注意事項をまとめました。
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水銀は生殖機能やホルモン系に影響を及ぼし、たとえ微量でも体内に蓄積されると毒性が高まり、人体に多大な影響を及ぼします。特に胎児への影響が懸念されるため、欧米諸国では2001年以降、妊婦を中心にした食事制限や指導が行われ、米国では、妊婦や授乳中の母親、幼い子供に対して、水銀の汚染度の高いまぐろやめかじきなどの魚の摂取を制限するように勧告しています。

2003年9月、内閣府食品安全委員会が実施した「食の安全性に関する意識調査」の結果では、食に関して不安に感じているものとして、農薬(67.7%)、輸入食品(66.4%)、添加物(64.4%)、重金属などの汚染物質(60.7%)が6割を超え、「魚に蓄積した水銀などの影響が不明」との理由が述べられ、消費者の水銀による食への不安は高まっています。

 

■水銀の汚染源


水銀の進入路は、魚介類や工場排水以外に身近なところでは、私たちが普段使っているさまざまな日用品や雑貨などの中に有機水銀化合物が使用されています。例えば防菌・防カビ剤、繊維製品のうち、オムツ、オムツカバー、よだれかけ、下着、手袋、靴下など。

また、歯科治療のアマルガムが水銀の大きな汚染源となっています。水銀アマルガムとは、歯科医で虫歯の治療の際に使われる銀色の詰め物(充てん剤)の成分です。今の日本では、虫歯の治療にあまりアマルガムを使っていないとよくいわれますが、厚生労働省によると、99年の歯科用水銀出荷量は、約700s。虫歯のアマルガムは、重量でおよそ半分が水銀で、その一部が常に蒸気として体内に取り込まれることがわかっています。特に詰め物で用いられるニッケル、アマルガム(水銀)はアレルギーを引き起こすやすく、口腔内の歯に詰めた金属は溶け出して体内に取り込まれ、皮膚や全身に運ばれ耐性が破れると、皮膚や種々の臓器にアレルギーを引き起こすといいます。

このようなものがただちに健康に害をおよぼすということではありませんが、 ごく微量の化学物質を長期間摂取した場合にどのような影響がおよぶのか、あるいは数多くの化学物質や環境ホルモンが、人間の体の中でどのような相互作用を起こすかは全く不明なのです。

特に脳の中に有害物質を通さないようにする「血液脳関門」が完成していない胎児の場合、母親が摂取した化学物質などが胎盤を通して脳に入り、濃縮されてしまう危険性があります。2003年6月に厚生労働省が妊婦に対して水銀濃度が高い魚介類の摂取を控えるように呼びかけたのも、そうした理由によります。


■水銀による健康障害


人間の体に有機水銀が溜まると、目で見える広さが狭くなったり、手足がしびれ、運動神経が麻痺して歩行困難になるという病気になります。メチル水銀は、腸管吸収率はほぼ100%で、脳血液関門、胎盤などを容易に通過し、胎児にも影響を与えるといわれています。

急性中毒の場合は、回復は遅く、下痢・肺炎・重い腎臓障害などを起こします。
慢性中毒の場合は、貧血や白血球の減少・肝障害や腎障害を生じます。更に中毒が進むと、歯のゆるみ・手足の知覚喪失・食欲不振・精神機能の低下や精神異常などの神経症状を起こします。

海外でも1971年には、イラクでメチル水銀による集団中毒事件が発生しました。水銀を含んだ小麦で作ったパンが原因で、400人あまりの死者が出た他、妊娠中にこのパンを食べた女性から生まれた子どもにも脳性麻痺や筋肉の異常が出たと報告されました。これより以前、61年にパキスタンでも同様に汚染パンによる被害が出ています。


過剰蓄積による
健康障害

歯茎の炎症、口内炎、食欲不振、易疲労感、不眠、不穏、脱力感、性格変化、蒼白、視力低下、嘔吐、頭痛、難聴、しびれ感、倦怠感、口の震え、躁鬱

主な摂取源
魚介類、穀物類、飲料水、一部の種子や野菜、利尿剤、歯装填物(アマルガム)、便秘薬、マーキュロクロム液、防カビ剤、電池、コンタクトレンズ液、床ワックス、刺青

 

 

 

 

■自閉症と水銀汚染


以前からワクチンの製造メーカは、防腐剤としてエチル水銀のチメロサールを使ってきました(日本では、ジフテリア・破傷風・百日咳の「三種混合ワクチン」や、インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎の各ワクチンに使用されています。アメリカの研究機関では、「百日咳のワクチン接種を受けた子供は受けていない子供に比べ、アレルギーにかかる率が5倍も高い、喘息・アレルギー・湿疹の発症率が高い」など、衝撃的な結果が報告されています)。

アメリカでは疑問をもった研究者が、ある種の「自閉症」の症状と有機水銀中毒の症状が非常によく似ていることを報告しました。これをきっかけとしてアメリカの「自閉症」患者の間から疑問の声が出て、下院で公聴会が開かれる問題となったのです。アメリカ政府の機関は、安全を考えてワクチンにチメロサールを使わないよう業界を指導しました。しかし自閉症児を抱える親たちはおさまらず、製薬会社に対して損害賠償を求める集団訴訟を2002年4月に提起しました。

このような水銀の影響は、「自閉症」に留まらず、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、子どもの神経に影響を与えている報告も数多くあります。ADHDやLD(学習障害)の患者に金属を除去するキレート剤を与えると、健常者より多くの水銀などの重金属を排出することが多いという報告がされています。


■水産庁による平成14〜15年度魚類に含まれる水銀の実態調査

水産庁は、同庁が14年度から15年度にかけて実施しているマグロ類に対する水銀濃度調査のうち、14年度実施分についての結果をまとめ、平成15年6月2日付けで中間報告として公表しました。厚生労働省が昭和48年に設定した魚介類中の水銀の暫定規制値は、総水銀0.4ppm、メチル水銀0.3ppmという数値を設定していますが、今回調査を行ったマグロ類については、内水面水域の河川産魚介類、深海性魚介類とともにこの暫定規制値は適用しないことになっています。

今回調査対象になったキハダ、クロマグロ、ビンナガ、ミナミマグロ、メバチ、クロカジキ、マカジキ、メカジキの8魚種50検体の内、総水銀ではクロカジキで最高9.3ppm、メチル水銀ではメカジキで最高1.0ppmを検出した他、暫定規制値に当てはめると超過しているケースが総水銀については約60%、メチル水銀では40%以上の検体で確認されました。ただしコーデックス委員会(国際食品規格委員会)が設定した高次捕食魚類(まぐろ類含む)についての国際的なメチル水銀のガイドラインレベル「1キログラムあたり1ミリグラム」を超えたケースはありません。

なおこの結果について水産庁は「日本人の食品由来の総水銀摂取量は1人1日7.0μgで魚介類からの摂取量はその約87%を占めますが、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会合)が設定した1人当たりの暫定的週間耐容摂取量の1日分35.7μgの約2割の水準。平均的な食生活をしている場合、健康への影響が生じることはない」との見解を示しています。

▼水産庁「平成14〜15年度魚類に含まれる水銀の実態調査」はこちら

 

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